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受賞者 |
受賞理由 |
| 作家賞 |
井津建郎
(いづ けんろう)
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井津建郎氏が聖地を撮影した作品には強い存在感と美しさが感じられる。14×20インチの大判カメラでプラチナプリントの作品に作り上げるのは容易なことではない。写真集『もののあはれ・無常の美』(2025年、ナッラエリ・プレス)では、三部作(幽玄
寂び 詫び)として能面・神威・野花などの日本の美をモノクロの陰翳と柔和で繊細なプラチナプリントで表現した。氏はカンボジアに小児病院を設立するなど社会貢献活動にも尽くしてきた。これらの功績に対して。 |
| 新人賞 |
水島貴大
(みずしま たかひろ)
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写真展「環島回憶錄」は、2020年から延べ5年間に渡り台湾全土を撮影した成果だ。「環島」とは台湾を周回する旅の道をさし、この旅を経て初めて台湾に生きる一人と認められると言う。台湾に自らの居場所を作り、その土地に染み付いた歴史や人々の息吹を活写し、偶然を味方に、予定調和に反した写真展に結実させた。作家が今後いかなる方向に進み、どんな景色を見せてくれるのか、期待を込めて。 |
| 功労賞 |
空蓮房
(くうれんぼう)
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浄土宗伝授山長應院住職の谷口昌良氏はアメリカで写真を学び、帰国後は写真コレクターとして厖大な作品と写真集を蒐集し、境内に2006年、ギャラリー「空蓮房」を開設して数多の鑑賞者に特別な写真体験を長年にわたり提供してきた。東日本大震災を契機に、氏はそれらの蒐集品をサンフランシスコ近代美術館、東京国立近代美術館に惜しみなく寄贈し、日本のみならず国際的な写真文化の継承・発展に貢献した。この功労に対して。 |
| 学芸賞 |
被爆80年企画展
ヒロシマ1945
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被爆80年企画展 ヒロシマ1945は、中国新聞をはじめとする新聞社・通信社の記者らが原爆関連写真の撮影者・撮影時期・撮影場所はもとより写された被爆者に至るまでを同定する綿密な調査と資料保存を元に、報道5社が連携して開催された。原爆投下という未曾有の事態に遭遇した被爆者・記録者と、その記録を守った人々の生を前景化しようという強い意思が感じられ、人びとの記憶に残る写真展だ。この功績に対して。 |
| 文化振興賞 |
クリスティーネ・
フリシンゲリー
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クリスティーネ・フリシンゲリー氏は、1980年に季刊誌『カメラ・オーストリア・インターナショナル』を写真家・キュレーターのマンフレッド・ウィルマン氏、写真家の古屋誠一氏とともにオーストリアのグラーツで創刊し、編集長を務めた。また、「カメラ・オーストリア」の名称で現代写真に特化した国際的な展覧会活動を行い、数多くの日本人写真家の作品を展示した。海外における日本の写真文化の紹介・啓蒙に果たした多大な功績に対して。 |