社団法人 日本写真協会
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東京写真月間 日本写真協会賞 入会案内 写真協会プロフィール 事業報告
受賞者
受賞理由
国際賞
マーティン・パー
(英国)  
Martin Parr

 
近年、日本の写真集は外国の写真家、研究者、キュレーター、コレクターから熱いまなざしを注がれている。マーティン・パーは20年以上にわたって日本の写真集を個人的に収集し、それを世界的に位置づけた著書『The Photobook: A History ,供戞Phaidon 2004/2006)を刊行した。「写真集」という側面から、日本の写真表現の特徴を明らかにし、日本の写真文化の本質を外国の写真関係者に知らしめた。

功労賞

本多 健一
 
今年83歳になられる本多健一氏は、1949年東京大学第二工学部卒業後、同大教授、京都大学教授として応用化学(特に光化学)の分野ですぐれた業績をあげられた。その後東京工芸大学の学長(1996年〜2004年)として写真教育の面で大きな貢献をされている。現在東京大学名誉教授・工学博士、1995年 勲三等旭日中綬章、1997年 文化功労者
 
文化振興賞  蒼穹舎  
蒼穹舎(代表・大田通貴)は、1986年に深瀬昌久『鴉』を出版したのを皮切りに、50冊を越える写真集を刊行し続け、今日に至っている。大手の出版社では取り上げにくい写真作品を、評価の定まった写真家のみならず、新人写真家の仕事を積極的に発掘し写真集として刊行してきた軌跡は、日本の写真表現に重要な水脈を切り開いてきたと評価するものである。
年度賞 鈴木 理策  
カラー写真の表現に独自の世界を切り開き確かな評価を獲得してきた鈴木理策が、東京都写真美術館で開催した個展「熊野、雪、桜」(平成19年9月1日〜10月21日)は、故郷熊野を原点として場所と自分の間に流れるまなざしの軌跡を表現したものである。その展示空間は、見る者の身体感覚までも写し込み、これまでにない視覚経験をもたらすものとして大きな衝撃を与えた。
 
鈴木 龍一郎  
受賞対象となった『鈴木龍一郎写真集 オデッセイ』は、鈴木が写真を撮り始めた1962年、19歳の夏に、山谷の公園で出会った「山谷の少女」の写真で始まり、早稲田大学の学生時代の作品、卒業後に世界各地を彷徨い歩いた作品と続き、現在に至っている。この壮大な鈴木龍一郎の旅路の軌跡が美しいモノクロ写真で表現されている写真集が『オデッセイ』で、このひとりの写真家の視線を読みとることが、『オデッセイ』を見る者のオデッセイなのである。
 
瀬戸 正人  
受賞作「binran」(銀座ニコンサロン)は、台湾の人々の嗜好品であるビンロウを売る女性たちの特異な空間を切り撮ってコレクションした写真展である。かつて「部屋」「silent mode」など、卓抜な感覚で独自の写真空間を構築してきた作家が、新たに取材したこのテーマは、今日の性や人間関係を不思議な危うさの中に描き出していて興味深い。他のエピゴーネンではない、オリジナリティーに富んだ力作として年度賞に価する。
 
作家賞 浅井 愼平  
『ビートルズ東京』でデビュー後、近作『巴里の仏像』まで、長年にわたり数多くの作品を発表。常に時代的感覚を先取りした写真作品のみならず、小説、俳句集、TV、評論など精力的な活動で、写真界以外の人々にも写真家の存在意義を広く知らしめた功績には多大なものがある。また、私設の「海岸美術館」は17年を経たいまもなお人気があり、写真文化の振興にも役立っている。
 
十文字 美信  
コマーシャルフォトグラファーとして一世を風靡。また『蘭の舟』や『黄金 風天人』などに代表される写真集で、その作家性を世に知らしめた十文字氏は、昨年その集大成というべき分厚い作品集『感性のバケモノになりたい』を上梓し、写真への止むことのない情熱を表明した。商業としての写真と表現としての写真をともに両立して昇華させてきたその革新的な生き方は、まさに作家賞にふさわしいと言える。
 
学芸賞 深川 雅文

 
深川雅文氏は、川崎市市民ミュージアムの学芸員として開館以来様々な写真展を開催してきている。そこでの展覧会カタログに執筆したテキストの他、様々な媒体に発表したテキストを再構成した著書『光のプロジェクト』(青弓社)は、歴史と現在を往還する「写真とはなにか」という根源的な問いかけをうながすものである。デジタル時代の今日にあって写真の未来をうらなう羅針盤とも言うべき好著である。
 

新人賞 石川 直樹  
受賞対象は写真集『NEW DIMENSION』と『POLAR』でこれに関連した写真展も対象となっている。『NEW DIMENSION』は先史時代の壁画と、そこにいたる道程での現実の動物や人間の世界をあわせ見るように編まれていて、新鮮で、不思議な魅力を感じさせる。『POLAR』は北極圏の自然と生活を新しい視点でとらえた写真集で、これまでのドキュメント表現には見られない新鮮さが魅力的である。
 
前川 貴行  
昨年1月の東京都写真美術館における三人展「地球の旅人」では国内外の野生動物の作品を発表して大好評を呼んだ。地球環境と生き物に対するその深い眼差しと継続的な取材は、昨年出版された『Bear World』『いのしし』などの優れた写真集を生み出した。自然環境破壊による影響や、国内の出版状況の悪化にともなう前途多難なネイチャーフォトの時代にあって、そのエネルギッシュな撮影姿勢と健闘ぶりは称賛に値する。
 
屋代 敏博  
1996年の個展「空間シリーズ・せんとう(銭湯)」(ツアイト・フォト・サロン)で、特異な空間意識と文化的景観を視覚化して注目を集めた屋代敏博は、2000年から始めた「回転回」シリーズで、さらなる展開を示した。このシリーズは、自分自身の回転運動を長時間露出で撮影したもので、さらに多数の人々の参加による「回転回LIVE!」へと発展する。空間というカンバスに身体が絵具となって飛び込んでいくような表現は、写真の新しい可能性を示唆するものとして将来が期待される。
 
特別賞 下山 敏郎  
今回の受賞の対象となった下山氏の著書、『世界を制覇した日本のカメラ・・・奮闘したサムライたちの記録』は、戦後日本のカメラ産業がどのようにして世界を制覇していったかを、当事者の一員である著者がつぶさに語った貴重な記録である。中でもその第一歩であるニューヨーク・ジャパン・カメラセンターの創設(1955年)は、日本のカメラ輸出産業のその後の発展に大きな意義を持つもので、この一冊を一読すれば先人達のこのような努力があってこそ今の世界一の日本のカメラ産業があることを知ることができる。
 
選考委員: 飯沢 耕太郎 (写真評論家)
  上野 修   (写真評論家)
  奥田 明久  (アサヒカメラ編集長)
  川田 喜久治 (写真家)
  立木 義浩  (写真家)
  茶谷 茂   (写真家)
  芳賀 日出男 (写真家)
 
(五十音順、敬称略)
 

■2008年日本写真協会賞受賞作品展
 

会場:富士フイルムフォトサロン東京 スペース1&2 FUJIFILM SQUARE(東京ミッドタウン)

   
会場: 2008年5月30日(金)〜6月5日(木)  11:00-20:00(最終日14:00)    
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